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なぜ天皇は男系であることを求められるのか?

最近、なぜ天皇が男系継承でなければならないかと考えさせられる機会がありまた。色々自分なりに調べてみましたが、ちらっと見ただけでも国体の問題、男女同権、思想の右左、など様々な視点からの議論があり一概に正解はこれだと決めつけることはできません。ただ結論から言ってしまうと、その中で一番自分が共感できたのは「男系継承の伝統の長さ」を重んじる価値観でした。

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(東京国立博物館 展示パネルより)

 

 

女性天皇がいたのはなぜ?

歴史上、計10代8人(二人は二度即位している)の女性の天皇がいました。よく知られた例としては聖徳太子の時の天皇・推古天皇がいらっしゃいます。ところがこの女性天皇たちは男系の天皇なのです。つまり、父親が天皇で直接その血を継いでいるのです。恐れながら今の皇室で例えさせていただくと、愛子様が即位すればそれは男系の女性天皇になるわけです。下で詳しく説明します。

Empress Suiko 2.jpg
 (推古天皇 Wikipediaより転載)

 

 

天皇とは何か?

それではまず一時期、議論の的になっていた天皇とはどういう人のことを言うのか考えてみましょう。女性天皇と女系天皇は全くの別のものです。この議論では、しばしば生物学の性染色体を使って次のように説明されます。ちょっとややこしいですがお付き合いください。

まず、男性XY女性XXの性染色体を持ちます。ここでは染色体は遺伝子の入れ物だと思ってください。わかりやすく色分けしてみました。その子が男の子なら両親から染色体を一つずつもらいXY、女の子ならXXとなります。仮にこの青色の染色体を天皇陛下のものだとすると愛子様はXXとなり確実に天皇陛下の染色体を受け継ぐことになるのです。

一方、天皇というのは、例えば愛子様XX血縁関係のない男性XYの方と結婚され、そのご子息が天皇に即位される場合をいいますが、両親から一つずつもらうと男の子ならXYXY、女の子ならXXXXの組み合わせになります。つまり、愛子様のご子息が皇位についた場合、二分の一の確率で青色の染色体をお持ちになられないのです。さらにそこから、その子孫の子孫がと天皇を引き継いでいかれると、もう最初の青色の染色体(天皇の遺伝子)を追うことはできないのです。

次にYの染色体だけ注目して見てみると愛子様のお子様には青色のY染色体は絶対に残らないのです。つまり天皇の遺伝子を確実に残していくためには男系継承のつながりを絶やさないことが唯一の方法になるのです。もちろん、性染色体のことなど当時の人たちが知るわけがありませんが、もしかしたら娘の息子より、息子の息子のほうが、お爺ちゃんに似ているなあという肌感覚が、昔の人達なりにあったのかもしれません。

 

また、お世継ぎが生まれなかったり、若くして亡くなってしまったりなどして適当な男子の皇太子がいない場合は、一つのつなぎの方法として男系の女性天皇が役割を果す場合もありました。それが先ほど紹介した8人の女性天皇です。(もちろん、業績などなされてきたことは決してつなぎなんてものではなく大変なことをされてきた方々です。血統の保持システムという意味でいい言葉が見つからず「つなぎ」としました。)

それで、適切な皇太子が生まれてくれば再び男系継承の流れに戻しますし、出てこない場合は血統をさかのぼって男系の人物を何としても探し出してきました。一説によると第26代継体天皇は5代先まで遡って男系をたどり、ようやく探し出してきた人物だったと言われています。つまり、ひいひいひいお爺ちゃんの頃から見た親戚なわけで、もはやそれは他人というような気も・・・(笑)とにかくそこまでして、男系継承を守り抜いてきたのです。

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足羽山継体天皇像(立花左近 氏により撮影)

Wikipediaより転載。

 

とは言え今の時代、血統を重んじるなんてばかばかしいと思う方もいるかもしれません。にもかかわらず、私がこのことを貴重だと思うのは少なくとも2000年近く、『古事記』や『日本書記』を信じるならもっとはるか昔から日本では、先ほど説明した例でいう青色のYの染色体のリレーを現代まで奇跡的に成し遂げてきたからです。一つの王室がこれだけ長く続いている例は世界中どこを探してもないそうです。圧倒的第一位の長さなのです。白村江の戦いで唐に負けようが、戦国時代になろうが、明治維新が起ころうがただただ連綿とこの男系継承は続けられてきたのです。そのことにシンプルに感動を覚えました。

 

例えていうなら、その辺に生えてるとるに足らない木だとしても、樹齢2000年にもなればそれは強烈なオーラを放つご神木になるのです。(天皇家はそもそも立派な木ですけど。)

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(三峯神社のご神木。写真はイメージです・・・。)

確かに血統などこだわらなくても、儀礼や外遊など天皇の仕事は変わりません。ただ、男系継承をやめるということは例えていうなら「法隆寺が古くなってきたから一度全部壊して、新しい木で立て直しましょう」と言っているようなものだと思います。どんなにそっくりに作ったとしてもそれはレプリカであり本物ではなくなってしまうと思います。天皇の血統とはそういう天皇制の伝統の中核をなすもので、時を経ればますます価値が高まる世界に誇る日本の無形文化財ととらえることはできないでしょうか。

 

 女性天皇の子が天皇になることはないのか?

女性天皇の子が天皇になることもあります。天智天皇、天武天皇、文武天皇などがそうですが、それは単純に父親が天皇か皇太子で男系を継承しているのです。

 

 

 

跡継ぎがいなくなったらどうするの?

今は秋篠宮家に悠仁親王がいらっしゃるので問題ないのですが、この先お世継ぎが絶えてしまう可能性もあると思います。今の世の中、側室なんてできるわけもないので昔よりもさらに難しい問題になってくると思います。ただそんな時も過去の歴史を見ればわかるように遡って男系の方を探せばいいのです。たとえ、戦後、皇籍を離脱させられたとはいえ旧宮家の方たちは当然立派な方々ですので皇位を継承してもらえばいいのです。ただ、先の先の先はどうなっていくのかはわかりません。仮におかしな人が天皇陛下になるかもしれません。けれど、もしそうなったとしてもその子どもたちが宮内庁の人たちのきちんとした教育を受ければ、環境が人格を作ってまた立派な天皇が現れてくるはずです。そもそも歴史を振り返れば、歴代天皇だって全員が全員立派な人だったわけではないはずです。個人的にはとにかくつなげていくことが大事なのではないだろうかと感じています。

 

長くなりましたが、以上になります。つい最近まで、別に男系なんて今の時代こだわらなくていいじゃんと思っていた口なのですが、調べれば調べるほどここでやめてしまうのがもったいない、これは世界に誇れる文化だと思うようになってきました。意見はそれぞれあるのでどう思うかはその人次第ですが、男系ってこういうことなんだと知っておくことは判断材料になると思います。

 

最後までご覧いただきありがとうございました!