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なぜ神社で菊の品評会をするのか。起源は茨城県にあった!

11月に入ってから神社巡りをしていると、菊の展覧会によく出会います。ちょうど今年は関東三社巡りをしていて、たくさんの菊を鑑賞することができました。

こちらは千葉県の香取神宮

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こちらは茨城県の鹿島神宮

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息栖神社では参拝した時には展示されていませんでした。

品評会もかねており、触らないでくださいとの注意書きもありどれも手入れの行き届いたきれいな菊が並んでいました。以前、明治神宮を訪れた時も多くの菊が展示されていたのを目撃したことがあったのですが、なぜ神社で菊の品評会が行われているのでしょうか?不思議に思って調べてみました。

 

 

発祥の地は茨城県

 

こういう話は大体諸説あったりするもんだと思っていたのですが、意外とその起源ははっきりしていました。

茨城県にある日本三大稲荷の一つ笠間稲荷神社(かさまいなりじんじゃ)が発祥の地とされています。

 

 明治の中頃、日本は日清戦争(明治27~28年)や日露戦争(明治37~38年)で疲弊し、人々の心は荒廃していました。そんな世の中を目にしていた笠間稲荷神社の宮司・塙嘉一郎(はなわかいちろう)氏明治41年に「菊花は人の心を和める」として神社で菊を育て境内で菊を展示したのが菊花展覧会の始まりです。最初は展示するだけだったのですが、大正2年からは多くの人が出品する品評会に変わったそうです。昭和24年には笠間稲荷神社の菊がシアトルで行われたアメリカ国際菊花展で最優秀賞を受賞しその名を世界に知られることとなりました。このような変遷の中で笠間稲荷の菊花展が全国的にも有名になり他の神社でも催されるようになったようです。意外と最近始まったものだったんですね。

 

 

神社と菊の関係は?

菊花展の始まりはわかりましたが、なぜ菊なのでしょうか。今となっては塙氏本人に聞くことはできませんが、他の神社の中でもよく菊花紋を見かけることがあります。神社と菊はどんな関係があるのでしょうか。

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菊は桜と並び、日本を代表する花とされています。

 

今でも香りがよくビタミン豊富で解毒作用もあるため食用菊として出回っている菊があるように、菊は当初薬草として中国から伝えられました。その後上流階級の人々の間で人気の花となり、平安時代には宮中で菊花を愛でながら宴をするなどして親しまれてきたそうです。今ではお葬式か刺身のつまの上に載ってる飾りかくらいでしかなかなか目にしませんが、もっと身近な存在だったのだと思われます。(和食の料理好きな人は結構使うのかもしれませんが・・。)

 

菊花紋と言えば天皇家の紋のイメージですがその起源は鎌倉時代の後鳥羽上皇が好んで使われたことが始まりと言われています。その後多くの天皇がそれにならって使ったようです。正式に天皇家の紋とされたのは大正15年の話で、これもまた意外と最近の話でした。

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Wikipediaより転載

後鳥羽院像(伝藤原信実筆、水無瀬神宮蔵)

 

 

このように天皇が好んで使われる紋だったため菊紋は明治時代以前は天皇と深いつながりのある神社の4社(伊勢神宮、宇佐八幡、上賀茂神社、下賀茂神社)しか使うことが許されなかったそうです。それが明治12年になって、官国弊社(国が経営する神社)であれば使っていいということになり、使える神社の数が大きく増えました。今でも大きい神社に行くと菊紋を目にするのはそういうことだったんですね。笠間稲荷神社は官国弊社ではなかったようですが、菊の展示会が始まったのが明治41年ですので、こうした流れの中で神社と言ったら菊といったイメージがあり、菊の展覧会にしようという発想につながったのではないでしょうか。

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(靖国神社 東京都千代田区)

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(大國魂神社 東京都府中市)

 

 

以上、最後は私見が大分入ってしまいましたが神社に菊が展示されている理由でした。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

 

おまけ

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こちらは東京国立博物館でみた岡山県で発掘された7世紀の陶官。最初見た時、天皇家の菊紋ついてるじゃないかとドキドキしましたが、今日調べたことを踏まえれば時代的に皇室とは関係ないということは一瞬でわかります。学ぶことはドキドキを奪われることなんですね・・・ふふ。

 

 最後までお読みいただきありがとうございました!